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なるほどの一冊

2012年5月28日

 市の名前を売り出すという地方自治体が一時期話題になりましたが、この一冊を読むと地名の大切さがわかる。

  地震・津波・火山・台風・雪・土砂災害・・・・・地球上最も災害の多い島国でいつ襲い来るともしれぬ過酷な自然と向き合い、そして被災した我々の祖先はその土地に「ここは危ない」というメッセージを地名として付けてきた。                                                「この地名が危ない」 楠原佑介 著 (写真)

 山形県鶴岡市の南部に「七五三掛」と書いて「しめかけ」と呼ぶ小集落がある。平成21年2月、この地で大規模地すべり災害が発生しました。「七五三」という語は必ずしも目出度いだけの言葉ではない。

 シメ(標・占)とは本来、朝廷・貴族や神社の占有地など神聖な土地に標識を立てて「不浄なものの立ち入り禁止」を示したこと、その土地である。つまり「バリヤ(結界)を張る」というに等しい。

 その立ち入り禁止の場所に建設されたのが福島第一原発だったのか?福島県双葉郡大熊町と双葉町の境に設置されている。この地は元々「標葉郡」と「楢葉郡」という地名でしたが、明治29年の近代郡制の施行に伴い「標葉郡」と「楢葉郡」の一部を合わせて新たに「双葉郡」とした。二つの「葉」だから「双葉」になる論理。しかし先人はしっかり津波常襲地であることを教えていた。

 形式上は一見もっともらしく、何の問題もなさそうに見えるが、こうした地名処理は、歴史的伝統的地名を切り捨てる結果となる。

 平成の大合併で多くの地名変更がありました。「西春町」と「師勝町」が合併し「北名古屋市」になりましたが、そこに深い意味はなし。ただ名古屋市の北に位置するからだ。大字小字をもう一度検証してみる価値がある。祖先がメッセージを残しているかもしれない。

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